今、日本には「誰も住んでいない家」が900万戸あるーー。住宅全体の7軒に1軒。先進国の中でも突出した数字です。
「空き家問題は地方の話」「自分には関係ない」ーーそう思っていませんか?本書は、その思い込みを根本から覆します。
地方では人口が減り、商店が消え、学校が廃校になる。一方の都心では、投資マネーが流れ込み、家賃は急騰。2024年度、東京都の家賃の引き上げに関する相談件数は前年度比で倍増しました。「住む場所が買えない、借りられない」ーーこれはもはや、誰もが直面する未来です。地方の空き家と都心の住宅高騰は、表裏一体の現象なのです。
なぜ日本は、こうなってしまったのか。なぜ、空き家問題は解決できないのか。答えは、戦後から続く「新築至上主義」、自治体のリソース不足、儲からないビジネス構造、そして地元利害が絡む「政治」にあります。本書は「空き家問題の教科書」として、全7章にわたり、その壁の正体を現場の言葉で解き明かしていきます。
現状の数字、原因と法律、放置された未来予測、再建築不可・共有持分など訳あり物件の実態、活用の新しい可能性、官民連携モデル、そして実際の再生事例までを網羅。「親が施設に入ったら、実家はどうする?」という個人の悩みから、「2040年、地元は残っているか」という国家的課題までを、一冊でつかめます。
空き家問題は、日本最大の社会課題であると同時に、地方再生・新規ビジネス・次世代への遺産という、大きなチャンスでもある。
知れば、動ける。動けば、変えられる。
あなたの「住む場所」と「日本の未来」を考えるために、今こそ読みたい一冊です。
【目次】
はじめに
「気づいたら来ていた未来」に、いま私たちは住んでいる
なぜ、日本はこうなったのか
なぜ、空き家問題は解決できないのか
空き家問題は、解決できる
第1章 空き家が映し出す日本社会の現実
3人に1人が65歳以上になる国で、住まいはどうなるか
日本に「誰も住まない家」が900万戸ある、という現実
余っているのに、なぜ新築が建ち続けるのか
空き家を「増やしてしまう仕組み」がある
「実家、どうする?」が他人事でなくなる日
捨てたくても捨てられないーー税・感情・相続という三重の壁
あなたが老後に住む場所は、本当に大丈夫か
コラム 月間500件以上の相談から見えてきた空き家問題の実態
第2章 「所有」へのこだわりが、日本を縛る
「持ち家信仰」が、日本を縛っている
なぜ日本では、中古住宅が評価されないのか
コラム 「訳あり物件」が語る日本の構造問題
第3章 何もしない未来
空き家が増えると、隣に誰も住まなくなる
税収が減り、バスが消え、学校が統廃合される
廃屋が「当たり前の風景」になるとき
道路・水道・電気が「割に合わない」地域が生まれる
2040年、地元は残っているか
コラム 2040年の日本の姿
第4章 「売りたくても売れない」不動産
「売りたくても売れない」不動産が存在する理由
相続した家が、負債になる日
相続が生み出す複雑な権利関係
個人では解決が難しい
コラム 訳あり不動産の現場からみた空き家問題
第5章 空き家は、次の時代の資源になる
「持つ」より「使う」ーー空き家の新しい価値
一つの家に縛られない生き方が始まっている
スマホで空き家が動く時代へ
コラム 空き家売買の常識を変える
第6章 ステークホルダー連携による地域再生モデル
行政だけでも無理、企業だけでも無理ーーなぜ「連携」が鍵なのか
「使われなくなった建物」が、新しい出会いを生む
空き家を活かすことが、まちの未来をつくる
持続可能なまちづくりと空き家の関係性
コラム 官民連携の可能性
第7章 空き家は、こうして蘇る
事例1:岩手・紫波町で起きた「空き家×官民」
事例2:こじれた共有名義を解いた、再生の軌跡
コラム 再建築不可物件と「空家等活用促進区域」制度の可能性
おわりに
